テクノロジーによる教育支援への挑戦

テクノロジーによる学びの支援へのチャレンジについて書いていきます

Moodleの公式iOSアプリが遂に登場!

2012年になり、遂にMoodle本部から公式iOSiPhone/iPad/iPod Touch対応)アプリがリリースされました。

Moodle2.2でないとオフライン機能(コンテンツのシンクロ機能)が利用できないということなので、さっそくMoodle最新版(Moodle 2.2.1+)をセットアップしてみました。そして、App Storeからダウンロードしてインストールした "My Moodle" アプリからアクセスしてみました。

ところがそのままではログインできません!

そこで、管理メニューからモバイル用Webサービスを有効化して再トライ。

無事にiPhoneにインストールした "My Moodle" アプリからMoodleにログインできました!
あまりにスムーズにできてしまい驚きました。

【Contents】というアイコンをクリックすると参加しているコース一覧が表示されます。

コースを選択して進むと、コース内容が表示されます。

ここからがブラウザでのアクセスと違うところです。ダウンロード可能なコンテンツにはダウンロードボタン(下向きの矢印アイコン)が表示されます。

そして、このボタンをクリックするとコンテンツ(ファイル)がiPhoneにダウンロードされるのです。ダウンロードが完了するとコンテンツの横のアイコンが右向きの矢印にかわります。

ブラウザからのアクセスだといちいちコンテンツをダウンロードしなくてはなりませんでしたが、ローカルに保存されることで、通学途中などでインターネットアクセスがないオフライン環境でも教材や資料を開いて勉強することができるのです。

iPhoneとは別にiPad用に3G回線をもう1つ契約するのは出費が大きいので、私はiPadWi-Fiモデルを利用しています。Moodleに教材をアップロードされていて、このアプリを使って自宅や学校などでコンテンツをiPhoneiPadにコンテンツを同期しておけば、一度参照した資料をダウンロードし直さなくても済みます。また、対応するプリンターがあればプリントアウトすることもできます。

ダウンロード可能な教材(Moodleでは「リソース」と呼んでいます)であれば、Officeドキュメント、動画(MP4)、音声(MP3)、Webページなどをシンクさせておくことができます。ローカルに保存するので動画などのダウンロード時間などを気にする必要がありませんし、アプリから外に取り出すのは難しいのでデータが出回る心配も現在の機能ではありません。

また、アプリではカバーできない機能についてはブラウザモードがあるので、出欠をとったり、小テストをしたりすることもできます。

それから、学生だけではなく、学校の先生同士の資料の共有や、企業やNPO内での資料配布にも役立つでしょう。

最近では会社(野村証券など)で会議の参加者にiPadを配り、資料を参照してもらうことで最新の資料を見ながら議論したり、紙にプリントアウトする手間や労力を節約している事例などが報告されています。

ともあれ、サーバサイドだけではなく、クライアント側も進化したことで、ますますMoodleの威力が発揮できるでしょう。

弊社では、これを標準機能として搭載したクラウド型LMSサービスを提供していく準備をしています。

関心を持たれた方はメールやFacebook、弊社Webサイトのコンタクトフォームなどを通じてご連絡ください。

また、東京近郊になるかもしれませんが、このMoodleアプリを体験するワークショップなども実施してみたいと思います。こちらもご意見をいただければ内容に反映していきたいと思います。

いろいろ可能性が広がりそうで、なんだかワクワクしてきました!

教育ITソリューションEXPO

昨日から、第2回教育ITソリューションEXPOがはじまった。

今回は、株式会社エンカレッジさんと共同で、MoodleとCBTマネージャー
(テスティングエンジン)との連携や、Moodle導入支援サービスのご案内をしている。

学校業務支援ゾーンのエンカレッジ社のブースにお越しいただければ、

  • iPhone対応したMoodle
  • ストリーミングサーバとMoodle連携
  • ムービーの倍速・0.5倍速再生
  • Wordファイルからのコピー&ペーストでMoodleの問題が作れるエディタ

などのデモをご覧いただけます。

ビッグサイトに来られた折は、ぜひお立ち寄りください。

MoodleとWowza Media Server 2(ストリーミングサーバ)の連携に成功

今月は立て続けに

  • Moodleとストリーミングサーバを連携したい

 → 受講生以外にビデオを見せたくない

というご要望がありました。

そこで、さっそく最適な構成を考えてみることにしました。

そうすると、FlashVideo(FLV)やMPEG-4(MP4)であれば、Wowza Media Server 2とMoodleのメディアプラグイン(mplayer)を利用すると実現できることが確認できました。

Red 5は以前に試したのですが、パフォーマンスがいまいち出ませんでした。

Helix Serverは100万円位してしまうので、予算がない状況では厳しいです。ただし、WindowsMediaをストリーム配信できます。

Wowza Media Serverは、FLVやMPEG-4のストリーム配信やライブ配信に対応していて、かつHelix Serverの10分の1くらいのコストで購入できます。性能も今のところ非常に安定しているので、予算に制約がある環境ではベストな選択だと思います。また、3GPPなどの配信にも対応しているので、Android端末への配信もできます。

あとは、FLVからMPEG-4へのフォールバック機構が実装されるといいなあと思います。

まあ、そんなことは開発者はわかっているでしょうから、近い将来実装されることでしょう(他力本願?)。

さて、Wowza Media ServerとMoodleを連携するまでの手順は以下のようになります。

1.Wowza Media Server 2をWowza社のサイトからダウンロードしてきて、サーバにセットアップする。
 今回はLinux版を選択し、CentOS5上にインストールしました。Developer版は少々制約があり、SilverLightなどに対応できませんので、
 本番稼動する場合は、Perpetual(買取り版)か、Amazon EC2にインストールするタイプを選択するといいでしょう。後者であれば、
 自分でセットアップしたくない場合には、AmazonCloudfrontなどを利用するのもよいでしょう。

 ただし、今回はMoodleと連携実績があるということで自分でサーバを運用することにします。
 
 うまくセットアップできると、

 /usr/local/WowzaMediaServer/bin

 に起動・停止スクリプトが配置されますので、

 # ./startup.sh &

 などとしてサービスを起動します。

 常時利用する場合は、起動スクリプトを登録しておくといいでしょう。

 また、Moodleから呼び出すためのエントリポイントを定義します。applications, confディレクトリ以下に
 適当なディレクトリを作成し、Applications.xmlに定義を追加します。

2.Moodleからストリームを呼び出すためのプラグインを追加します。

 JWPlayer 5.0にMoodleのユーザインタフェースを追加したものです。

3.mplayerプラグインに使用するストリーマを登録します。

 /mod/mplayer/lib.phpにエントリーを追加します。

4.コースに入って編集モードを開始し、【活動の追加】から【Media Player】を選択します。

 すると、ファイル名、メディアタイプ、ストリーマを設定できます。

 今回は、それぞれ、

 FLVファイル、Video、RTMP

 を設定しました。

5.設定ができたら、【保存して表示する】を実行します。

 うまくいくと↓のようにプレイヤーが表示され、ストリーム配信されます。

 ぜひ、みなさんもトライしてみてください。

 マイケル・サンデル教授の正義の話もおもしろいです。

 こちらもぜひDVDをご覧になられることをおすすめします。

 比較的ゆっくり話しておられるので、英語の勉強にもなります。

日本で「正義」の話をしよう〔DVDブック〕 サンデル教授の特別授業

日本で「正義」の話をしよう〔DVDブック〕 サンデル教授の特別授業

年間1000円のロケットネットサーバでMoodleを動かす

知り合いから依頼があり、レンタルサーバロケットネットサーバ
へのMoodleインストールにトライしてみた。

通常通り、

  1. Moodleパッケージ(今回は1.9.12)のアップロード・解凍
  2. データディレクトリの作成
  3. 空のデータベースの作成
  4. インストールスクリプトの実行

と進めるが、何度実行しても最後に "Internal Server Error"が
出て失敗する。

どうやらPHPCGIモードで動かしているのが原因らしい。そこで、
PHPの動作モードを変更してみるとあっさり解決し、インストールが
完了した。

これくらいの費用であればとりあえずテストするには十分だろう。
ただし、授業時間中の一斉ログインなどには不安がある。

授業の補足資料を掲載したり、課題を回収したりするなどの利用
スタイルが適しているだろう。

Moodleによる eラーニングシステムの構築と運用

Moodleによる eラーニングシステムの構築と運用

Moodle 2.0と1.9の違い (その1: ブロックの表示切替)

前回は、Moodle 2.0のパフォーマンスについて取り上げたが、今日はユーザインタフェースの変化について比較してみた。

ログインして直後に気づくのが、ブロックの表示形式の切替機能。

各ブロックの右上にWindowsの最大化・最小化のようなアイコンが並んでいて、

  • ブロックを開く・閉じる
  • ブロックの表示位置の変更
    • ブロックをメインウィンドウの外に表示させることが可能
    • 元の位置に戻すことも可能

となっている。

これはどのブロックにも共通する操作のようだ。

次回は、フロントページのナビゲーションを比較してみたい。

Moodle 2.0は遅い?

さて、Moodle 2.0をインストールしてみたので、1.9と比較してみたい。

まず最初に気になったのが応答の遅さだ。

トップページを表示するだけで10秒くらいかかる。

まったく同じサーバで動作しているMoodle 1.9では1秒もかからない。

正確に測るために、パフォーマンスオプションをONにしてみたところ、やはり気のせいではない。

[テスト環境]


[Moodle 1.9]
0.250251 secs RAM: 4.5MB RAM peak: 4.6MB Included 214 files ticks: 25 user: 21 sys: 2 cuser: 0 csys: 0 Load average: 0.02 Record cache hit/miss ratio : 0/0

[Moodle 2.0]
11.765397 secs RAM: 17.2MB RAM peak: 17.3MB Included 553 files Contexts for which filters were loaded: 1 Filters created: 1 Pieces of content filtered: 1 Strings filtered: 0 get_string calls: 1281 strings mem cache hits: 1130 strings disk cache hits: 157 DB reads/writes: 176/2 ticks: 1177 user: 63 sys: 5 cuser: 0 csys: 0 Load average: 0.14

上記のデータからすると、

  • 読み込むファイル数が3倍弱になっている。
  • フロントページの表示が1.9の0.25秒に対し、11.8秒(47.2倍!)
  • 消費メモリ量は約4倍


この結果によると、かなり高速のCPUと、これまでの4倍程度のメモリを搭載したサーバを利用しないと十分なパフォーマンスが得られない可能性がある。

ということで、早急に2.0にバージョンアップするのではなく、各種サーバ資源を増強するか、スクリプトがもっと最適化されて高速動作をするまで待つのが得策ではないかと思う。

Moodle 2.0がリリース!

Moodleのひさびさのメジャーバージョンアップ、Moodle 2.0が公開された。

ということで、さっそくテストサーバにインストールしてみた。

これまでと同様に

  1. インストールディレクトリの作成
  2. パッケージのダウンロード・展開(サーバ上で)
  3. データディレクトリの作成
  4. データベースインスタンスの作成
  5. インストールプロジェクトの実行
  6. 初期設定


という手順で無事にインストールが完了した。

インストール画面の最初で使用する言語を選択すれば、日本語ですべてのステップが実行できる。

これから、数回にわたり、Moodle 2.0の新しくなった点などについて、解説してみたいと思う。