MAMP導入時の注意
Moodle入門のサポートサイトにも書いたが、MAMPはMoodleだけでなく、AMPアプリケーション全般に通用する話なので、ここにも書いておきます。
Mac OS X上にAMP環境を構築するMAMPですが、標準状態ではMySQLのrootのパスワードが設定されていません。
この記事では、rootのパスワードの変更方法についてご紹介します。
【 MAMPの入手先 】
http://www.mamp.info/ja/home/
【 MySQLのパスワードの変更手順 】
1. MAMPを起動する。
2. ナビゲーションバーからphpMyAdminを開く。
3. 特権をクリック
4. root@localhost以外のユーザを削除。(Linux/FreeBSD/Windowsでも必要)
5. rootのパスワードを変更
ただし、これだけではMAMPのスタートページが表示されなかったり、phpMyAdminにアクセスできなくなったりします。 これは、MAMPパッケージがphpMyAdminによるパスワード変更を反映しない作りになっているためです。そこで、設定ファイルを2箇所修正する必要があります。
東海インターネット協議会のオープンソースソフトウェアシンポジウムでも、最も参加者のみなさんが苦労されたところです。
【 phpMyAdminの設定ファイル 】
Applications(アプリケーション)フォルダにMAMP 1.3.1をインストールした場合は、
Applications/MAMP/bin/phpmyadmin/config.inc.php
の86行目にある( )内の値を変更します。
85: $cfg[’Servers’][$i][’user’] = ‘root’; // MySQL user
86: $cfg[’Servers’][$i][’password’] = ‘(この部分を変更する。デフォルトはroot)’; // MySQL password (only needed
87: // with ‘config’ auth_type)
【 MAMPのスタートページ 】
Applications(アプリケーション)フォルダにMAMP 1.3.1をインストールした場合は、
Applications/MAMP/bin/mamp/index.php
の15行目にあるmysql_connect関数の最後の引数の値を変更します。
15: $link = @mysql_connect(’:/Applications/MAMP/tmp/mysql/mysql.sock’, ‘root’, ‘(この部分を変更する。デフォルトはroot)’);
上記の作業をすると、rootのパスワードを変更した後でもMAMPのスタートページやphpMyAdminが使用できます。Windows XPやLinux上でXAMPPを動作させる場合も同様の手順踏んで、rootのパスワードの変更をしましょう。そうでないと、リモートから3306番ポートが見える場合に、Moodleのデータベースを削除されたりしてしまいます。
これは、Moodleに限らず、他のMySQLを使用するアプリケーションに共通している注意事項です。Railsやその他のアプリケーションスタック(複数のソフトウェアをパッケージしたもの)でも同様の注意を払いましょう。XOOPSやDrupal, JoomlaやWordPressなど最近よく利用されているLAMPアプリケーションでも同じです。
こうした理由もあり、本書(Moodle入門)ではMAMPやXAMPPをサーバの本番稼動環境として利用することはお勧めしていません。また、USBメモリなどでもかろうじて動作させることは可能ですが、大学など大きな負荷が発生する状況では実用に堪えないこともありますので、可能な限り、メモリやCPUをある程度搭載し、またディスクの冗長化や定期的なバックアップ等のケアをしながら、サーバを運用することをお勧めします。