テクノロジーによる教育支援への挑戦

テクノロジーによる学びの支援へのチャレンジについて書いていきます

OSC2006セミナー完了しました!

3月17、18日と2日間にわたり、大久保の日本電子専門学校にて開催されたオープンソースカンファレンスにてセミナーを2コマ担当させていただいた。今回は、「オープンソースのコースマネジメントシステムMoodleの紹介」ということで、1コマはMoodle全般の紹介、もう1コマは主としてPodcastingやケータイからのアクセスなどについて紹介させていただいた。それぞれを変えたのは、事務局の宮原さんから違う内容で話すようにとアドバイスいただいたからである。

両日とも非常に熱心に話を聞いていただいた。驚いたのは、教育機関の関係者よりも企業や研究所などで知識の共有やトレーニングなどにeラーニングの仕組みを使えないか、と調査をしている方が多数いらしたことだ。ここ数年間、主として大学を対象にeラーニングのシステムを導入する提案をしてきたが、興味の対象は「いかに失敗しないか?」「いかに他の学校に負けないか」「どれだけたくさんの機能を搭載しているか」ということであった。

しかし、企業ユーザの方々は外部との競争ではなくて、自社のノウハウを体系化したり、既に蓄積してきた見識を提供していこうという絶対的な価値を求める視点で試行錯誤されており、非常に興味深かった。大学の方が相対的な競争に注目し、企業の方が知の体系化や情報共有に強い関心を示しているのはどうしてだろうか?

それは企業のビジネス活動を展開するにあたり、知的な競争力を構成員につけることが、以前よりも重要になってきているからではないかと考える。そして、そのための情報共有や体系化のプラットフォーム、また知だけではなく社内の人的なリソースを発見したり、コンタクトできるという既存の組織体系を横断するような(ある意味でインフォーマルな)コミュニティを創出するプラットフォームが求められているのだと考える。一方で大学は入学者が逓減しつつあり、競争がより激しくなっているため知の体系化などの利用よりも、リメディアルや教員の方々のトレーニングなどにテクノロジーを活用することに注目しているのではないか、と考える。

ぜひ、有効な活用方法を見出して役立てていただきたいと思う。

企業における知のあり方の変化については下記の書籍から大きな示唆を得ている。どうやら、大前研一氏による翻訳書が出るらしい。

A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future

A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future