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MoodleはSocial Constructionismという教育理論に基づいて設計されているといいます。そこで今日は、学習理論について整理しました。
アメリカ企業にいたときに心理学のドクターが同僚にいて、いろいろ教えてもらったことがありますので、それをベースに書いてみたいと思います。間違っていることや付け足した方がよい点などありましたら、コメントいただけるとうれしいです。日々是勉強です。
こうした議論はかなり昔から行われているようでして、情報処理系ではなく認知科学(Cognitive Science)の研究領域のようです。ルーツはピアジェやヴィゴツキー(1896-1934)にさかのぼるとのことです。そのため、情報処理系の人はなじみが薄いのでしょう。近年出版された本で詳しく書かれているものには、
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や
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などがあります。面白そうですね。
そもそもは、
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がソースのようなので、これから読んでみることにします。原文はロシア語なので私には読めませんorz 単語も難しいでしょうし。
Constructinism等と同時に対比される学習理論として、
- Objectivism
- Constructivism
- Social Constructivism
- Constructionism
- Social Constructionsim (Martinが研究しているもの)
などがあります。
- 従来の教育はObjectivismに基づいている、つまり全ての知は体系化できて、その体系的な知を教員が学生に伝達するのが教育だ、とする理論。
- WBTなどで一般教養の理論などを勉強させよう、なんてのはこうした考え方に基づいているでしょうか。
- それに対比されるのが、Constructivismといって、人間は内的に保有している知的空間を、外部からの刺激により絶えず再構成し続けて成長するものである、という理論です。
- Social Constructivismはそれをチームで実施して、グループ内の暗黙知を更新するもの。
- グループで学んで、構成メンバーがそれぞれの理解を深める、というスタイルでしょうか。Collaborative LearningやProblem Based Learningなどの論文でよく見かけます。以前出席した研究会では、ヨーロッパの大学(オランダなど)で盛んに話題に上っていました。CMS(Blackboard)上のグループ機能を用いて学生グループを作成し、現実社会で起こる問題を提示し、その解決策をプレゼンする、などの授業に使っている、という発表を見ました。確か、マーストリヒト大学だったと思います。ケーススタディを公開しているので探してみます。私も講義で取り入れていましたが、なかなかがんばる学生とアクティブでないのの差が大きくてチーム管理に苦労していたようですが、チームで学ぶってのは楽しいという学生もいました。また、社会人になったらこういうコミュニケーションをしなくてはならないので大変ですね、という学生もいて、こちらとしては意図が伝わってうれしかったです。こちらの準備や評価も大変でした。
- Constructionismというのは、他人に見てもらうための事物を作成する過程において知を体系化するのだ、という理論で、日本では「教えることは学ぶのに最も役立つ」と言われますが、これは構築主義の応用例の一つでしょう。このコンテキストの場合、教える(講義をしたり、レクチャーノートを作る)が作品となります。日本語ではこちらも構成主義と呼ぶ人がいて、Constructivismと混同されがちです。また、混同したまま話をする人もたくさんいますが、あまり突っ込んでも煙たがられるので突っ込まないようにしています。
- 断片的にいろいろ学んでいるうちに、それぞれの要素がつながって自分なりの知的体系を構築する、というイメージでしょうか。日々Googleで検索してはいろいろ試しながら、結果をブログに綴ったりしながら自分の知識体系を常にブラッシュアップしていく、などが実践方法になるでしょう。私はこういう学習スタイルが多いですが、特定分野の専門家が書いた本を読んで知識を得る、たとえば、Ajax入門を購入して読む、なんてのはObjectivismっぽいラーニングスタイルですね。
- この理論をベースにした学習時のテーマはどうやってピックアップするのがいいんでしょうか。その辺りをオープンコースウェアで公開する大学などが出てくると面白いですね。
- Social Constructionsimというのは、グループで他の人々に見せるための事物を構築(作成)する過程で、自分のやりたいことを説明したり、アイデアを問うたりする過程で各自の知の再体系化を行うのだ、とする理論です。
- MoodleでいうとWorkshopモジュールなどでお互いにコメントしあったり、それを教員が採点したりという機能のことをさしているようです。それなら、BlackboardやWebCTにもあるんですけどね。
この辺りについては、
のp.22 p.34にわかりやすく書かれています。
また、
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のp.160にも少々触れられています。
日本の教育工学の分野ではCSCL (Computer Supported Collaborative Learning)と呼ばれていて、協調学習などとも呼ばれています。チャットや掲示板、ビデオ会議システムなどを使って学習を進めることをさしており、学習理論というよりは、学習形態や技術、とりわけリアルタイムの学習ツールや学習ログのフォーマットについて研究をしている方が多いようです。