テクノロジーによる教育支援への挑戦

テクノロジーによる学びの支援へのチャレンジについて書いていきます

シンガポールから

2月15日に函館で開催された「Moodle Moot Hakodate 2009」だが、なんと海外からの参加者もいらした。

チーさん(左から二人目)は南洋(ナンヤン)女子高校の先生だった。

しかし、2008年1月にeラーニング導入支援をするコンサルティング企業を興した創業者だ。

女性社長にして、元は学校の先生、そして3児のよき母である。下記は、彼女の会社のWebサイト。

http://ourf.sg/

Got an e-learning idea? Talk to us.
We are educators first then technopreneurs.
We help you realize your e-solutions.

というメッセージが興味深い。気温が40度も違う函館まで来る行動力がすごい。

また、学校の先生が起業するのもオドロキだ。

そのチーさんから写真が送られてきたので紹介したい。

左から3人目はエンジニアのチアさん。

右端は今回の第1回Moodle Mootを企画されたはこだて未来大学のスチュアート先生。

ガラス張りのはこだて未来大学のキャンパス

キーノート(その1)の様子。真剣に聞き入る。

スピーカーは金沢学院大学ベイトソン先生。英語の先生にしてモジュール開発者だ。


シンガポールでは国立シンガポール大学で開発されたLMSが大きなシェアを占めていたが、

継続的サポートの不在と、Blackboardの継続的な価格高騰(シンガポールの大学規模だと年間1億円近くに達する)

によりMoodleへのシフトが一斉に起きているという。

さらに、この週末には、小学校でのMoodle利用の事例研究会が開催されたという。

日本では、未だに大学でもeラーニング技術の利用について否定的な見解が多く、

学習者の到達度に合わせた教育プログラムが提供される機会が失われ続けている。

オープンソースへの不理解と恐怖感が、そのメリットを上回ってしまっている。

国内家電メーカーを信奉し、利用もしないLMSを放置しているのは怠慢でしかない。

製造業だけを信奉するのは、20世紀的工業社会をまだ引きずっている証だ。

21世紀は急速にグローバル化し、アメリカですらアメリカ化の押しつけではなく、

協調を通じて、自国の発展を模索している。

日本は、メンタルな鎖国をそろそろ止めて、もっと外に目を向け、使えるリソースは使い

また学ぶべきところはそれぞれの分野の先進国から学び、この国の将来をよくするために

努力すべきだ。

この記事を読んで、小規模でもやってみたい、という人は是非チャレンジいただきたい。