TOEIC 900点を突破するための学習方法
4年前にアメリカ企業の電話面接を受けた。
一人は営業部長のリー、一人は役員のスーザンだった。
もう泣きそうだった。電話だから身振り手振りもない。愛想笑いもできない。
> 質問がある。
> 何回か言い直してもらって(どんどん語彙が易しくなる)なんとか内容がわかる。
> しかし、言いたいことがいえない。もうしどろもどろ。冷や汗だらだら。単語の羅列。
> 沈黙。「もういい、次ね」と言われる。次の質問もわからない...
が40分間続いた。これを2セットやった。吐きそうだった。
学生時代は英語の授業が好きだったんだけど。
ネイティブにふつうのスピードで話されるとお手上げだった。
「ほとんど何も聞きとれない」
のである。
でも、その会社に推薦してくれた人がいろいろプッシュしてくれて、なんとか契約にたどりついた。
「こいつは英語はできないけど、仕事はするし、日本の市場を理解している」
ともう一人のベテランMBAホルダーをけって、言葉の通じない訳のわからん日本人を選んでくれた。
今考えるとなかなか勇気がある選択だ。
# 給料が安い方を選んだ、という説もある...
その後、必死で勉強して言いたいことを言えるようにした。
だって、言いたいことが言えないって辛い。
目の前に話をしたい人がいても、話が続かないとそっぽをむかれちゃう。
話かけてくれてるのに何を言われてるのかわからなくてがっかりされちゃう。
困った時に、なぜ困っているのかをきちんと理詰めで説明しないと対応してもらえない。
# そのアメリカの会社では理屈で打ち勝てば対応してくれた。
特に国際化製品を開発していたから、バグを直してもらわないとならない。
その時に、「どうして文字化けすると困るのか?」を日本語の分からない人に
理論的に説明しなくてはならかった。
アクションしないと放置される。
日本みたいに救ってくれない。
発言しないとね、シカトされるんですよ。
直接いじめられるより苦痛。
飲み会だって辛い。言葉がわからないからネタをふられても返せない。
失笑が聞こえる。あー、恥ずかしい。
話すことができないからひたすら酒を飲む。
カクテルなんて呑んでるのは女々しいと笑われるから、
ウォッカやスコッチをストレートやロックでがんがん呑む。
だから酒は強くなった。
ついでに「フィッシュ」なんてありがたくないニックネームもいただいた(涙)
魚が水を飲むみたいに酒を飲む、ってこと。
そこで、一念発起、英会話学校に行く時間もお金もない私は、iPodを駆使しつつ、
耳と口を徹底的に鍛えた。片言英語を並べ立て、毎日英語でまくし立てた。
1年後にはなんとか言いたいことを言えるようになり、日本法人まで設立した。
飲み会も恐くなくなった。気になるコが入れば、ゴハンにも誘えるようになった。
英語を話せるだけで、こうまで状況が変わるのかと我ながら驚いた。
# 文化的摩擦とかストレスも増えるんだけど。蚊帳の外よりはずっといい。
それから、独立してからある日のこと。
2006年春、
「TOEIC900点ないやつは英語が話せるとは言わない」
「留学したこともないやつは英語なんて話せるとは呼んではいけない」
と大学教授に罵倒される。
確かに本人英語はぺらぺらだが、英語で話している時に意思疎通をしていない。
これは内容を理解していない・できないからだろう。
こういう変わった生物が大学にはたくさん棲息している。
「きゃりふぉーるにやはよかった」とか「しかーごは日本よりよかった」とか、
要は「昔はよかった」と叫んでいるわけで。
だったら、そこで永久就職すればいい。日本で悪態つかないでほしい。
ともあれ、すぐにインターネットでTOEICを申し込んだ。
2006年8月、遂にはTOEIC900点を突破した。
10月に再挑戦するが、今回は930点突破を目指している。
今後、このブログでこの悲惨な状況から、いかにして英語を難なく聞き取れるようになり、
言いたいことを言えるようになったのか、というプロセスを順に紹介していきたいと思う。
やればできます。こてこての日本人でも。
そして、言いたいことが言えなくて悔しい思いをしている日本人のみなさんに役立ててもらい、
国際的に活躍していただきたい。
英語ができればよいという訳ではないが、同じ才能しかないなら英語を話せた方が得をする。
凡人で通訳を雇うような金銭的余裕もない私のような凡人ならなおさらだ。
今やダライ・ラマも自ら英語でスピーチをこなす時代である。
なんとか克服したいよね。
英語はぺらぺらしゃべるけど内容がない人にばかにされないようにしよう。
まじめにいい仕事をしている人に、もっといろんな可能性を持って仕事をしてもらいたい。
活躍してもらいたい。理不尽な人とも渡り合って、かついい友人を増やして欲しい。
一緒にがんばりましょう。