プリンシプルのない日本
日本国憲法成立などに尽力した人物。
日本の進むべき道について明快に語っている。
- 他力本願の乞食根性を捨てよ
- イエス・マンを反省せよ
- 八方美人が多すぎる
など考えさせられるフレーズが多い。
中でも興味深かったのは日米親善について触れている次の一節。
「私の言わんとすることは、私が満州にいた日本のある高官から聞いた話に尽きる。当時満州にいた日本の高官達は、日本語を上手に話し日本人に接近することに努力していた満州人達に話を聞いて、その連中の言うことを以て満州大衆の意見とした。結果は全然違っていた。
(中略)
然し米語を話し、兎に角米国人の御機嫌をとらんと努力する以外のことは考えない日本人が残念乍ら多数存在する現在、この日本の高官が感じたような悲哀を、他日味わうことのないように気をつけてもらいたい。個人関係においても、国際関係に於いても長続きする友情は、双方が腹を打ち開けて話すことである。そこに何らの遠慮もあってはならないと私は信じる。」
同じような問題が未だに起きている(一部増殖している)とは、歴史に学ぶことを私たちは忘れているのだろうか。
- 作者: 白洲次郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
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