テクノロジーによる教育支援への挑戦

テクノロジーによる学びの支援へのチャレンジについて書いていきます

挑戦する大学 国際教養大学

昨日、某研究会@汐留にて、秋田にある国際教養大学中嶋嶺雄学長のお話を伺う機会を得た。

http://aiu.ac.jp/

国際教養大学のサイトのURL。

東京外国語大学の学長を経て、同大学を立ち上げられた。ご専門は国際関係論。

文字通り挑戦をしている大学である。以下はその特徴の一例、

  • 1年時は全寮制で寝食を共にする。(関係のメモリ共有によるコミュニティの創造)
  • 徹底的にリベラルアーツをやる。一流の芸術家や教授陣が担当。
  • TOEFLは550、GPAは3.0を目指す。
  • 公立大学の学費でカリフォルニア大学に1年交換留学できる。
  • 留学時は30単位を取得してこなければならない。
  • 暫定入試で入学可能。1年以内に上記スコアを取得しなくてはならない。
  • 授業も全て英語でやる。外国語も英語で教える。
  • 教授会で意思決定しない。大学経営会議で迅速な意思決定を実現。
  • 人事は公募制。数百倍の応募があって優秀な人が来る。
  • 事務局長もMBAホルダーで講義を持つ教授。
  • 英語を話せる職員がほとんど。TOIEC965点の人がいる。

物事の決まらない教授会、恣意的な人事制度、仕事で英語が使えない、こうした既存の大学の問題点をクリアするすばらしい試みだ。

そこで中嶋学長に質問してみた。

当方: もし既存の大学が改革をするとすれば何から始めたらいいでしょう?
学長: SD(スタッフデベロップメント)が大切です。職員の能力向上を図りましょう。
    英語力の向上、問題解決能力の向上、学生と接するマナー向上
    などできることはたくさんあります。

まさにその通り、マインド、スキル、ナレッジの向上トレーニングをやるのが大事だ。

とある大学からスタッフデベロップメントの提案要請を受けているので、取り組んでみたい。

中嶋先生の著書は以下。

21世紀の大学―開かれた知の拠点へ

21世紀の大学―開かれた知の拠点へ

P.S.
中嶋先生が帰られた後、「国公立じゃできるけど私立では無理だ」という声がたくさん。

しかし、建学の精神を持って、国ができない理想の教育をするために設立されたのが私立大学ではないのか?

「お上に助けてもらわないとだめだ」と言っているようじゃ、

国公立には勝てないし、存在価値がない。

学問のすすめ」を今一度読んでいただきたい。現代にも通用する名著だ。

学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない

学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない

愚痴ってばかりではよくならない。

アメリカの大学みたいにどんどん稼いで、引き換えに充実した教育をすればよいのではないか。

辛抱したり節約することも大切だが、それはゴールあってのもので、

やみくもに財政を引き締めるだけではすべきこともできなくなる。

どこかにしわ寄せがきてスタッフが辛くなる。